世界のぜんぶが書いてある本、ない?

普段自分が考えてること、疑問に思ってることを検索してみても意外と答えが見つけられないので仮説を立てて自分から発信してみることにしました。ブログタイトルは、僕のだいすきな漫画『せんせいのお人形』のセリフです。(勝手に使ってます、ごめんなさい。)

未来があるから思考できる

はじめに

お久しぶりです。 全然更新できてなくてすみません。

正直に言うとモチベーションが下がってました。 理性でやらなきゃとは思ってるのに、考えようとしても考えられないという感じでした。

しかし、先日買い物のために少し遠出をしたのですが、久しぶりに乗った電車での移動中、急に思考が捗りまして本記事を書くに至りました。



今回の仮説

今回の仮説は

ストレスの正体は予測できない未来
なのではないか、そして
未来を認識することで人は思考できるようになる
のではないか、というものです。

今回の話の流れとしては三段論法*1のようなイメージで書いていきたいと思います。



不確定な未来がストレスを生む

こちらの記事では、電気ショックを用いて不確実性(先行きの不透明さ)とストレスの関係を調べる実験が紹介されています。

www.afpbb.com

この実験では被験者ごとにさまざまなパターンのタイミングで電気ショックを流し、ストレスレベルの変化を計測しました。 電流を流すパターンには完全無作為なものもあれば、経験を積むうちに予測可能なものもあります。

結果として、電気ショックを受けるか受けないか確実にわかっている場合より、電気ショックを受けるかどうかわからない場合のほうが、はるかにストレスレベルが高いという事実が判明しました。

この実験は、人間にとって不確実性がいかに大きなストレスであるかを裏付けるものとなりました。



続けて、不確実性とストレスの関係に関するこちらの記事を紹介します。

www.golfdigest-minna.jp

狩猟採集民族であるイヌイットの暮らしを長期的に調査したところ、彼らは未来に目を向けずに今に注意を向けているのだそうです。 彼らが長期的な未来に目を向けて行動を決めることはありません。

そんな彼らの中には鬱病患者がほぼいないのだそうです。

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狩猟採集民の生活は、男は狩り、女は子供の世話と木の実採集、そして夜には獲物と木の実を分けあって食べるというサイクルを延々と繰り返します。 10年、20年先の未来に目を向け保険加入や貯蓄をするような思考は存在しません。

つまり、狩猟採集民はそもそも未来という時間感覚がなく、未来への不安が募ることもないのです。 もはや、未来そのものがストレスと言ってもいいのかもしれません。

このように不確実性が人間に与えるストレスは凄まじく、不確定な未来を認識することがストレスを生んでいるといえます。



ストレスが思考力を高める

先ほど紹介した記事の実験結果の話に戻りますが、こちらの実験では不確実性とストレスの関係を示したほか、ストレスのレベルが高い被験者ほど電気ショックを受けるタイミングを予測する精度が高かったという結果も出ています。

これはストレスによって被験者の思考力(予測力)が向上したということになります。 ストレスが人間にとって有利になるように作用したのです。

もちろん、ストレスが過剰にかかると心身ともに悪影響がありますので、あくまで適度な量での話だと思います。

以前僕が通っていた精神科のお医者さんがおっしゃっていたのですが、鬱病とは脳の回転にストップがかかった状態のことなのだそうです。

あまりにストレスがかかって思考を巡らせすぎると、「これ以上はやめて!」と脳がストップをかけてくる機能が人間には備わっているのかもしれないですね。



未来が思考力を生む

ここまでの話から下記2点

  • 不確定な未来の認知がストレスを生む
  • ストレスが思考力を向上させる
を踏まえると、新たな仮説が生まれます。 それは不確定な未来の認知が思考力を向上させるということです。

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人間は先行きが不確定であることを認識すると不安(=ストレス)を覚えます。 この不確実性は生存競争においてリスクそのものです。 そしてその不確実性をなくすために、人間は未来を予測しようとし、結果として思考力が向上していったのではないでしょうか。

こう考えると、未来の認知がストレスとなり、ストレスが思考力を向上させるという現象にも、もっともらしい説明がつくのではと思います。



ストレスがないと思考できない

今回は未来の認知とストレス、思考との関係について考えてみました。 今回の説明だけで、仮説が正しいというのはあまりに証拠不十分だとは思いますが、考えとしては面白いかなと思って書いてみました。

僕の場合も、普段の在宅勤務で自宅周辺で完結する生活サイクルから抜け出して、電車に乗って買い物に出かけた途端、久しぶりに考え事が捗りました。 逆に言えば不確実性を認知しないと思考することができないということなのかもしれません。

もしかしたら在宅勤務だと仕事が捗らないのも、慣れた場所で不確定要素である他人もいない環境で、不確実性を認知できないからなのでしょうか。 これは都合よく捉えすぎでしょうか笑。

ただ、先のことを考えるほどストレスが溜まる、ストレス(刺激といったほうがいいか?)がないと思考できないという意識を持っておくと、ストレスが溜まったり無気力になったときに、その対処法を考えるうえでの指針にはなるかなと思います。

今後も更新頻度は低いかもしれませんが、自分が面白いと思ったことを伝えていけたらなと思います。

今回考えたことは以上です。
読んでくださった方、ありがとうございました。

*1:AならばBかつBならばC、ならばAならばCであるという証明法 https://tap-biz.jp/lifestyle/trivia/1001604