世界のぜんぶが書いてある本、ない?

普段自分が考えてること、疑問に思ってることを検索してみても意外と答えが見つけられないので仮説を立てて自分から発信してみることにしました。ブログタイトルは、僕のだいすきな漫画『せんせいのお人形』のセリフです。(勝手に使ってます、ごめんなさい。)

ニュース『ジョコビッチ選手が線審にボールをぶつけてしまい、失格処分となった』件に対して思うこと

はじめに

今回は仮説を立てる記事ではありません。 世間で起こった出来事(それに対する世間の反応を含めて)に対して僕が抱いた意見・感想を述べたいと思います。

今回取り上げる記事はわりと世間的に大きなニュースになった気がするので、関係者の誰かが言うだろうと思ってました。 しかし、僕が知る限り同じ意見を述べる人がいなかったので、完全なる部外者の僕が発言してみたいと思います。

※筆者はネットニュースとその記事についたコメントぐらいしか見てないので、もしかしたら他にも同じ発言をされた方がいたかもしれません。



今回取り上げるニュース

すでにご存じの方はこちらへスキップ

今回のニュースの記事がこちら www.thetennisdaily.jp

概要

2020年8月31日より開催された全米オープンテニス2020年大会にて、第1シードのジョコビッチ選手のプレー外で打った球が線審の首に当たってしまう事故が発生した。 ボールが当たった線審はその場で苦しんだが、大事に至ることなく済んだと後に大会側は述べている。 同試合の審判はこれを「不必要な危険行為」とみなし、大会規定に則ってジョコビッチ選手を失格処分とした。

これに対し、世間からはジョコビッチ選手に対する非難が相次いだ。 ボールが当たった線審に対する非難も一部あった。

同じプロテニス選手および関係者からは、「不運な事故だった」とジョコビッチ選手や線審に対する同情のコメントや世間と同様にジョコビッチ選手を強く非難するコメントがあった。

ジョコビッチ選手のInstagramでの声明では、あの行為は「故意ではなかった」としながらも、「間違っていた」と謝罪のコメントを出している。 また、対戦相手だったカレーニョ ブスタ選手も「故意ではなかったが、やってはいけないこと」であると見解を述べている。



僕の考え「論点はそこじゃない」

僕は審判の取った判断に反論はありません。 ルールに則って判断を下すのが審判の役割だからです。

僕が違和感を持ったのは、世間の反応、関係者の反応、そしてジョコビッチ選手本人の発言すべての論点が 誰に罪があるのか、どのくらい重い罪なのか に終始していたことです。
僕は各立場のいろんな発言を見ながら、

「なぜ誰も『ボールが線審にぶつかることを防ぐ方法』について論じないのだろう」

ともやもやしていました。

これまでもテニスの試合でボールが審判やボールボーイにぶつかる事故は幾度となく発生していました。 今回のようなプレー外の打球だけでなく、プレー中に打った球が偶然人にぶつかることも多いです。 しかし、そのたびに論じられるのは ボールをぶつけた選手に罪があるかどうか、ぶつけた後の選手の対応に対する評価 だけだったのです。

そして、「命に関わる危険性がある」と認知されながらも、プレーヤー以外の人にボールがぶつかるという事件がなくならないということは、根性論ではどうにかならない、具体的対策を取る必要がある問題だということです。

つまり、審判やボールボーイたちが何度も命の危険に晒されてるのに、未然に防ごうという動きが見られないことに僕は危機感を感じています。
「野球のホームベースの審判は防具フル装備してて、テニスのサーブは200km/hを超えることもあるのに線審やボールボーイはなんで丸腰なんだろう」て疑問に思うのは僕だけでしょうか。

このニュースから本来得られる現状の問題点は

『審判やボールボーイの命が脅かされる危険性に対策が取られていないこと』

なのではないでしょうか。



根性論を人に強いるのはやめよう

僕は元々すきなのでプロテニスの試合をよく見ます。 特にシングルスに対して思うのですが、テニスというスポーツはとてもストレスが溜まりやすいスポーツだと思います。 1試合が4,5時間かかることもザラですし、試合中にコーチからアドバイスを受けることは禁止されています。 つまり数時間の試合中ずっと1人で戦い続けなければならないスポーツなのです。
※試験的にセット間だけコーチにアドバイスを受けることを許可する大会もありました。

フラストレーションの溜まった選手がラケットを叩き割ったり、審判と口論になることも少なくありません。 そしてそういった行為が起こるたびに観客は選手にブーイングを浴びせ、時には今回のジョコビッチ選手のように失格処分になることもあります。

f:id:zeppekikun:20201004171806j:plain acworksさんによる写真ACからの写真

基本的に選手たちはプレーに専念することが第一です。 プレーを続けることの意義は人それぞれでしょうが、生活だってかかってるんだから当たり前です。

それに加えて、観客や審判には敬意を払わなければならないだの、コート上では常に平静を保って紳士的なふるまいをしなければならないだの、いわゆるスポーツマンシップの強要を外野がしてくるわけです。 「選手たちに向かってブーイングを浴びせたり、ネットで誹謗中傷してるあなた方は何なの?」って正直思っちゃいます。

僕もスポーツマンシップ自体を否定するつもりはないです。
しかし、ただでさえ1人っきりでストレスに耐えながら何時間もプレーを続ける必要がある選手たちに、常にコート内や観客席の人間に無礼や危険がないように意識し続けろというのは、あまりに酷なことだとは思いませんか。

今回のニュースはあくまで事故です。 ジョコビッチ選手を擁護したいのではなく、本人の発言通り(僕も映像見ましたがあきらかに)故意ではなかったのに起きたからです。 故意でなくても起きてしまうのなら、プロテニスのルールや大会の規定を見直す必要があるのではないかと考えるのが自然だと思うのです。

まだ話したいことはあるのですが、長くなりすぎるので今回はここまでとします。 この記事が「問題の本質はどこにあるのか」ということを考えるきっかけになってくれると嬉しいです。

ここまで読んでくださった方、どうもありがとうございました。