『嫉妬』は集団維持のための防衛本能
はじめに
前回の投稿から1か月以上空いてしまいました。 このブログは僕にとって「ここまで考えた」という備忘録なので、定期的に投稿することよりも、納得のいくものを書くことを心がけてます。
そのため、今後もマイペースな更新になると思います。 (今までの更新頻度はネタ帳に書き溜めていたものを記事にしてたからこその頻度です。)
以前、ある方がツイッターか何かで「嫉妬は人間の感情の中でいちばん必要ないと思う」とおっしゃていました。 それが印象的で『嫉妬』という感情の存在理由について考えてみました。
今回のテーマ
今回のテーマは『嫉妬』という感情の役割についてです。 今回の内容は僕が考えた内容というより、調べて分かったことを僕なりの解釈でまとめたお話です。
調べた内容をもとに僕が出した結論は、『嫉妬』とは
『嫉妬』と『妬み』は違う?
まずは『嫉妬』の定義について確認しておこうと思います。 『嫉妬』に似た言葉で『妬み』がありますが、心理学において両者は異なるものとして扱われるそうです。 英語でも『嫉妬』はjealousy、『妬み』はenvyと訳されます。
しかし、調べれば調べるほどに「どっちも一緒じゃね?」って思っちゃいました...。 どちらも自身の地位を脅かす存在に対して敵対心を抱く感情であり、わざわざ分けて考える必要があるほど差異があるようには思えませんでした。
説明も人によってまちまちですし、後述しますが脳内物質であるオキシトシンの発生が関与しているという点でも両者は一致しています。
無理やり差異を見出すなら、『嫉妬』は集団における自分の地位を奪おうとする侵略者に対する敵対心であり、『妬み』は集団内の裏切り者に対する敵対心でしょうか。
心理学における一般的な言葉の定義に関してはこちらをご参照ください。
今回お話しするにあたっては『嫉妬』も『妬み』も同じものとして扱います。
集団の結束力と嫉妬心の強さは比例する
嫉妬に関わる脳内物質としてオキシトシンがあります。この物質は別名「幸せホルモン」「愛情ホルモン」などと呼ばれ、幸福感やストレス抑制、記憶力向上の効果があります。
なぜこの物質が嫉妬と関係があるのか。 それは発生条件に着目するとわかります。 オキシトシンはスキンシップや人と近い距離で食事や会話をすることで分泌されます。 つまり、他者とのつながりを強めることで安心や幸福感を得られる脳内物質がオキシトシンなのです。
いい気分になる=本能的に正しいことをした と考えることができるので、人間の本能は集団を形成し、結束を強めることを是としていることがわかります。
このオキシトシンには他者との心理的結びつきを強める一方で、部外者を攻撃・排除したいという気持ちを高める効果があります。 集団の結束を維持するために、その結束を脅かす存在は排除する必要がある。 この感情こそが『嫉妬』なのです。
『嫉妬』がいじめの免罪符になる
ここまでのお話で生存本能から見た『嫉妬』という感情の必要性について、なんとなくわかっていただけたでしょうか。
さらに嫉妬心を向けた相手の排除に成功すると、脳は報酬としてドーパミンという脳内物質を発生させ、人は快感を感じてしまうのです。 このことは以前『いじめっこ』をテーマにした記事でも触れました。
他の生物に比べて明らかにひ弱な人類が生き残っていくためには、集団の結束が必要不可欠だったのだと思います。
この「集団結束を維持するため」が免罪符になるので、人は嫉妬による制裁行動に罪悪感を持ちにくいどころか、ある種の正義感さえ感じてしまいます。
「集団結束を維持するため」という後ろ盾があるとはいえ、嫉妬心を持つ個人の感情としては「自分の現在の地位を守りたい」なのではないかと思います。
集団のためにやってるようで、自分のためにやっていて、でも結果的に集団のためになることもある。
なんか不思議ですよね...。
とはいえ、できることなら嫉妬もしたくないし、嫉妬されたくもないですよね。 どっちの立場だろうと不快なことには変わりないですし。 この必要悪のような『嫉妬』をどう扱っていけばよいのか、この辺りも考えていきたいと思います。
今回のお話はここまでとさせていただきます。
お付き合いいただいた方、ありがとうございました。