世界のぜんぶが書いてある本、ない?

普段自分が考えてること、疑問に思ってることを検索してみても意外と答えが見つけられないので仮説を立てて自分から発信してみることにしました。ブログタイトルは、僕のだいすきな漫画『せんせいのお人形』のセリフです。(勝手に使ってます、ごめんなさい。)

過密の解消がウイルスの生態系的役割

はじめに

今回の仮説は僕が考えたわけではないんですが、すごく面白いと感じたので紹介させていただきます。
(人によっては今更?ていうお話かも....)
今回お話しすることはこちらの番組(2020/07/12放送)で紹介されていた内容を主に参考にしました。 www.nhk-ondemand.jp ※今回の仮説を番組内で明言していたわけではなく、ウイルスが自然界で担う役割の一例として紹介されていただけです。

新型コロナウイルスが世の中に知れ渡ってある程度時間が経ち、密を避けるとか手の消毒とかが、もはや日常になってきている気がします。 f:id:zeppekikun:20201023232809p:plain 新型コロナウイルスの殺傷力だけでなく、世の中全体の動きを大きく変えたという意味で誰もがウイルスの脅威を実感したと思います。

今回はこの新型コロナウイルスのことというより、『ウイルス』とは自然界においてどういう存在なのかに焦点を当てて考えていきます。



今回の仮説

今回のテーマは

自然界におけるウイルスの役割

についてです。

そして今回の仮説は

ウイルスには生物の過密を緩和する役割がある

というものです。



『ウイルス』=『病原体』ではない

『ウイルス』の定義についてWikipediaのページを貼っておきます。 ja.wikipedia.org 今回注目したい部分のみ掻い摘んで説明すると『ウイルス』とは、他生物の細胞を利用しないと増殖することができない存在を指します。(生物としての定義を満たしていない。)

つまり、ウイルスは生物なしには種を存続できないため、生物との共生が不可欠であり、ウイルスの種全体で見ると生物を殺傷する力を持つ種は稀なのだそうです。 ウイルスにとって宿主を殺すことは必ずしも理にかなっていないと言えます。

殺傷力の強い個体は宿主を殺してしまい、移動手段を失うので感染を拡大させる(=種を存続させる)ことができません。逆に言うと殺傷力の弱い個体ほど感染を広げやすいということになります。 つまり、長期的に見るとウイルスは弱体化していく傾向があるということになります。

これが新型コロナウイルスに対しても一部で唱えられていたウイルス死滅説*1の背景となります。



ウイルスが赤潮の解消に一役買っている

新型コロナウイルスの影響もあって、ウイルスの脅威に目が行きがちですが、ウイルスは自然界にとってなくてはならない存在でもあります。

その一例として赤潮があります。 赤潮とは大量発生したプランクトンが異常に密集することで起きます。 人間の立場に立つと漁業に損害をもたらすと言えますが、プランクトンたちにとっても異常な密集は酸素不足を生んでしまいます。 つまりプランクトンたちにとって過密は群れ全体の滅亡危機なのです。

ウイルスの中にはプランクトンに感染する種も存在します。 赤潮になるほどにプランクトンが密集すると、ウイルスの感染効率が上昇し、感染したプランクトンは死滅していきます。 結果的に赤潮(=プランクトンの過剰な密集)を解消する役割をウイルスが担ったことになります。 globe.asahi.com

「ウイルスによって過密が解消された」って、新型コロナウイルスの発生に対して我々人間が取った行動となんだか似ていますね。



新型コロナウイルスは”現代”だからこそ流行った可能性

※ここからは番組内で紹介された内容ではなく、僕の妄想です。

人間の世の中はどんどん便利になっています。 公共交通機関が発達して一人一人の行動可能範囲が拡大し続けています。 また、都市部に人口が偏り過密化も進行しています。 この一部に人口が密集し、各個体の移動範囲が広い状況はウイルスにとって好都合だったんですね。

群れを作って生活する生物って人間以外にもたくさんいますが、これらの生物たちには群れが大きくなりすぎること、過密になることを避ける傾向があります。

例えばミツバチは群れが大きくなると、新しい女王バチが生まれ、働きバチの一部を連れて群れから離れます。 そして新しい場所で新たな巣を作り、元いた群れとは別の群れを形成します。 このミツバチたちの行動を分蜂と言います。 syumatsu-yoho.com この分蜂は群れの大きさが一定を超えたときや、巣箱(人口のハチの巣)のスペースが小さくなってくると起きやすくなるそうです。

もしかしたら人間にとっての過密に対する退避行動が『いじめ』にあたるのかもしれません。 zeppekikun.hatenablog.com

そして、赤潮を発生させたプランクトンたちのように自分たちだけでは過密を防ぎきれなくなると、ウイルスの感染が拡大します。 そしてウイルスによって個体数の減少ないし強制的な群れの分散が起き、結果としてウイルスによって過密が解消される。 そんなメカニズムが生態系の中に存在しているのかもしれません。 あくまで妄想ですけど。



最後に

今回は『ウイルス』の生態系的役割について考えてみました。

ウイルスって一見人間にとって害しかなさそうに思いますけど、他の視点で見てみると全く違う印象を受けますね。 一つの視点だけで物事を捉えると歪な固定観念を生んでしまう可能性があることを改めて感じました。

たまには自分の置かれた状況を俯瞰して見てみるのも、新しい発見や異変に気づくきっかけになっていいかもしれません。

長くなってしまいましたが、今回のお話は以上となります。 ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。