「何がわからないのか、わからない」の正体は情報過多
はじめに
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みなさんの周りには、どんなに説明しても理解してくれない、「何がわからないの?」と聞いても答えられない人っていませんか?
どんなに時間をかけて説明してもらっても、どうしても理解できない。 むしろ説明されればされるほどわからなくなる状態に心当たりのある方はいませんか?
すみません、どっちも僕のことです...。
この記事の執筆時点で僕はまだ社会に出て3年目なのですが、一度転職を経験しています。
転職前の職場での自分は、まさにこの状態でした。
自分ではなんとか理解しようと努めているのに説明を受ければ受けるほどに混乱し、「何がわからないの?」と聞かれても答えられませんでした。
まさに「何がわからないのか、わからない」状態でした。
僕自身もですが周囲も「これだけ説明してるのになぜわからないのか、わからない」といった状態でお互い疲弊して、魔のループにはまっているようでした。
僕はその後、同業他社に転職しているんですが、仕事で必要な知識は割と近しいのにこの魔のループには今のところ陥っていません。
別に仕事の仕方は変えてませんし、以前のほうがよっぽど努力してたと思います。
あの頃はどうして「わからない」から抜け出せなかったのかずっと考えていたんですが、自分なりに答えが出たので説明させていただきます。
「わからない」には2種類ある
実は「わからない」には以下の2つの種類が存在します。
①理解するために必要な情報が不足しているため、わからない
②情報が多すぎて整理しきれないため、わからない
①も②も同じ「わからない」ではありますが、「理解する」ための方法が真逆です。
①「理解するために必要な情報が不足しているため、わからない」の解決方法
こちらは簡単です。なぜならこれは質問可能な「わからない」だからです。 調べるなり、人に聞くなりして不足してる情報を埋めればOKです。
その道の玄人ほど①の「わからない」の比率が高いです。 なぜなら前提知識で「理解する」ための骨組みをすでに持ってるからです。 記述式問題より穴埋め式問題への遭遇率が高いというイメージでしょうか。
②「情報が多すぎて整理しきれないため、わからない」の解決方法
こちらがいわゆる「何がわからないのか、わからない」です。
情報の整理が追い付かずに頭がショートしたような状態です。①に対して②は質問できない「わからない」となります。
初心者ほど②の「わからない」に遭遇しやすいです。
なぜなら整理が必要なこと = 知らないことが多いからです。
解決するには、より大事な情報のみに減らしてもらう必要があります。 自分一人で情報を整理するのではなく、自分よりわかってる他人に整理してもらうことが必須です。 だって前提知識がない初心者に何が大事でそうでないか判断できるわけないじゃないですか。
この「わからない」に遭遇したら、説明してくれている人に「わからないことが多すぎて頭が整理できないので、もっとざっくりと概要から説明してもらえませんか。」と情報を減らして説明するように頼んでみてはいかがでしょうか。
最後に
「はじめに」を読み飛ばした方は読まなくて大丈夫です。
前職場で僕が「わからない」から抜け出せなかったのは、教える側と教わる側の間の「わからない」に対する認識のずれが原因でだったのだと今では思っています。 情報が多すぎて混乱している人間に、もっと情報が必要だとさらに情報をインプットし続けてしまったのです。 それじゃあいつまでも「わからない」ままだよね。 今思うと当然ですね。
この結論だと「転職しなくてよかったのでは?」と思われる方もいるかもしれません。
僕もこの結論に至った時よぎりました(笑)。
でも前の職場という閉鎖空間から抜け出して、俯瞰して状況を捉えることができたからこそ、気づけたことだと思います。
今の上司は説明してくれる時に「○○は知ってる?」と教わる側の前提知識の把握から入ってくれます。 情報は多ければいいというものではない、理解可能な適切な情報量に調整してあげることが教える側の役目だということをわかってるんだと思います。
僕はあの時、生きるために逃げ出しました。
今だからこそタラレバな話もできますが、当時の僕にそんな余裕はなかった。
そして外に逃げ出して初めて、居場所になりうるところは他にもあるということに気づけたんです。
なんか話が逸れてきたので、僕がだいすきな漫画の一つ『銀の匙』より、校長先生のセリフで締めたいと思います。
「生きるための逃げは有りです。有り有りです。」
以上、つたない文章で失礼しました。